放っておくと怖い!生活習慣病とメタボリックシンドローム
- 2018.02.02
- 2018.02.05
- 更年期の女性と生活習慣病

生活習慣病はなぜ怖い?
生活習慣病とは食事や運動、ストレス、喫煙など長年の不健康な生活習慣の積み重ねが原因で発症する病気の総称。
生活習慣病には糖尿病や高血圧、脂質異常症などがありますが、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに病気が進行し、その結果、命に関わる恐ろしい病気を引き起こすことがあります。そのため、生活習慣病は「サイレントキラー」とも呼ばれており、決して油断できない病気なのです。
生活習慣病とメタボリックシンドロームの関係
生活習慣病と密接な関係にあるのが「メタボリックシンドローム」です。最近では「メタボ」という言葉が一般に定着し、日常生活でもよく耳にするようになりましたよね。ただ、誤解されがちなのですが、「メタボ」=太っている人や肥満を指す言葉ではありません。
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうち2つ以上の危険因子を併せ持っている状態。これらの危険因子を複数併せ持つと、動脈硬化が進行しやすく、脳卒中や心臓病などを発症する危険が高まります。つまり、メタボリックシンドロームは病気の一歩手前のハイリスクな状態を表しているのです。
動脈硬化とは
高血圧などによる血管へのダメージや、コレステロールなどの脂質の沈着によって、血管壁が厚くなって血管が硬くなったり、狭くなった状態。動脈硬化が進むと血管がもろくなるため、破れやすく、血栓ができやすくなります。また、血管が狭くなっているので血液が流れにくくなるほか、血栓がつまって血管がふさがれてしまうこともあり、それが脳や心臓の血管で起こると、脳卒中や心臓病などの原因になります。
血圧や血糖、脂質などの数値が治療を要するほどレベルではないからといって安心してはいけません。個々の数値がそれほど高くなくても、複数の危険因子が重なると、動脈硬化の危険性が上がります。そのため、メタボリックシンドロームの血糖や血圧などの診断基準は、糖尿病や高血圧などの診断基準よりもやや厳しく設定されています。
必須項目 |
ウエスト周囲径(内臓脂肪蓄積) |
男性:85㎝以上 |
|
選択項目 |
1. |
中性脂肪・HDLコレステロール |
中性脂肪:150mg/dL以上 |
2. |
血圧 |
収縮期(最大)血圧:130mmHg以上 |
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3. |
空腹時高血糖 |
110mg/dL以上 |
メタボリックシンドローム診断基準検討委員会:日本内科学会雑誌 第94巻 第4号 2005年、厚生労働省:e-ヘルスネット メタボリックシンドロームの診断基準(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-01-003.html)を基に作成
予防には生活改善と定期検診が欠かせない
生活習慣病を予防するためには、生活改善と定期検診が欠かせません。まずは食事や運動、睡眠など日頃の生活習慣を見直して、生活習慣病の原因となる内臓脂肪の蓄積を防ぎましょう。それとともに、毎年健康診断を受けて体の状態をチェックすることも忘れずに。普段の生活から、自分の健康管理に積極的に取り組むようにしてください。
<参考>
太田博明『男と女でこんなに違う生活習慣病』講談社、2006年
日本生活習慣病予防協会・日本スポーツ健康連盟・辻学園監修『どう防ぐ?どう食べる?がよくわかる生活習慣病基本事典』コナミデジタルエンタテインメント、2006年
メタボリックシンドローム診断基準検討委員会「メタボリックシンドロームの定義と診断基準」『日本内科学会雑誌』第94巻、第4号、2005年
厚生労働省 e-ヘルスネット|メタボリックシンドローム
厚生労働省 スマート・ライフ・プロジェクト|生活習慣病を知ろう!
国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス「[93] メタボリックシンドローム その対処法」
産経新聞社 メタボリックシンドローム・ネット
タニタ 健康のつくりかた「生活習慣病とメタボリックシンドローム」
一般社団法人日本生活習慣病予防協会
ファイザー 生活習慣病オンライン